JPDAデザイン保護委員会「D-8創作証の運用について」
生まれた背景と今後の課題 戻る

■創作証制度の生まれた背景
 

D-8創作証は、提案したデザインが採用されなかったにもかかわらず最終的には無断で使用されたり、類似したデザインが、知らぬ間に市場に出ているといったケースに、歯止めをかけるためのものです。画家が絵にサインを入れるように、デザイナーが自己の責任の上で自分の創作物に、その証としてのマークを貼る行為を広めていこうという活動です。

デザインには匿名性が求められます。この創作者が見えない状態が、「無断での使用、流用をしてはいけない」という意識をクライアントとデザイナーの双方に育ちにくくしている要因と考えられます。

デザイナー個々がオリジナリティを大切にし、尊重し合えば、クライアントに対する場合にもその効果が生まれてくるのではないかと考えます。そして、創作証を貼る行為が、「知的財産権の対象としてのデザイン」という明確な立場を広める機能を持つものに育っていくことを願って、この制度を作りました。

 

■今後の課題
  創作証の信用度を増すためには、趣旨の社会的周知と制度の誠実な活用が必要ですが、「モラル・自己責任」の認識の低さ、意図的な虚偽表示は、知的財産権による保護環境の整備の可能性を、デザイナーが自ら閉ざしてしまうことになります。
この運動は、「デザイナーの誇りを護る」「創作者を認め合う」といった精神論だけに終わるものではなく、知的財産としてのデザインの権利の帰属が抵抗なく話し合える状況と、それが公平な契約の締結につながる流れを作るためのものでもあります。
 

■望む着地点
 

「創作者の権利保護」の先に、マークが消費者に対する製品の品質保証の役割を果たせるものとして育つことができれば、積極的な市場での利用が生まれる可能性が考えられます。制度の趣旨にそったマークの使用を継続することで、クオリティを表示する存在として広く社会一般に受け入れられていけば、経済の活性化にも貢献できることになります。
それは、まさしく知的財産としての役割【新たな知的財産の創造及びその効果的な活用による付加価値の創出を機軸とする活力ある経済社会を実現するため】(知的財産基本法第一条)を果たすことであり、その流れが「創作者の社会的地位の向上」に自ずから繋がっていくことに期待し、望むべき姿としています。