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ユニバーサルデザインとパッケージ

カラーユニバーサルデザイン


意外と気がつかない色の見え方

カラーユニバーサルデザイン( CUD ) という言葉、聞いたことありませんか?
一体何が起こっているのか、疑問に思う方、ちょっと勉強してみたい方、そんなみなさまに読んでいただきたいのがこのコーナーです。

 

CUDとは?

CUD=カラーユニバーサルデザインとは、様々な色覚を持つユーザーの視点に立ち、誰にでも情報が正確に伝わるように、配慮した色彩設計の考え方の総称です。
カラーユニバーサルデザインで重要なことは、色使いに関するバリアフリー対策に留まってはいけないということです。
伝えるべき情報の優先順位、情報の受け手(ユーザー)の視点からの使いやすさ、見やすさ、快適さといった要素を考慮しながら、あらゆる人にとって見やすく、整理されておりかつ、快適なデザインを目指すことがカラーユニバーサルデザインの考え方です。

 

なぜ必要なのか?

なぜCUDの必要性が叫ばれるようになってきたのでしょうか?
それは近年、色覚の多様性に関する知見が広く知られるようになってきたことが一つ、そして日本が直面している、超高齢社会に対する危機意識の高まりが原因といえます。

我々は、従来、色盲・色弱(*注)と呼ばれてきた、一般の人と色の見え方が異なる人達の存在を知っていました。しかしながら、そうした人たちが日本全体で何人いて、生活面でどのようなハンディキャップを持っているか、という基本的なことについてすら意識してこなかったのが現実です。

色の見え方の違いから日常生活でハンディキャップを持つ人を、色覚異常と呼びますが日本全体で約320万人程度、男性の20人に1人、女性の500人に1人が該当すると言われています。これは横浜市の人口の約85%にあたります。
さらに、人間の色覚は加齢とともに低下し、白内障、緑内障などと合併すると著しく異なった色の見え方になるケースもあることが知られています。
改めて考えてみると、現代日本においては色の見え方の違いから少なからぬハンディキャップを抱えている人は確実に増加傾向にあると考えられます。だからこそ、今CUDの考え方が重要になってきているのです。

CUD_1 CUD_2

注)色覚についての呼称
かつて医学会でも一般でも使われていた「色盲」や「色弱」という表現は、現在では呼び方が変わっています。医学会では、色覚の特性から「1型2色覚」、「2型2色覚」といった用語で統一しています。
また、「P型」、「D型」という呼称を用いている団体もあり、一部のシミュレーションツールで使われています。詳しくは下記サイトをご覧ください。

◆日本医学会 医学用語辞典WEB版 色覚関連用語について
 http://jams.med.or.jp/dic/colorvision.html
◆カラーユニバーサルデザイン機構 色覚のしくみと色覚者の呼称
 http://www.cudo.jp/colorud/color_vision/designation

 

どうすればいいの?

ここまでご覧いただくと、CUDは必要だな、なんて思うようになってきませんか?
すると、どうすればいいのか?手っ取り早くモノにするにはどうすればいいのだろうといった欲望がわいてきますよね。そこでここではCUDを実行する際に便利な情報、気軽に使えるツール類や、関係団体情報等を紹介します。

◆初めてのCUD

① 最初は見え方を確認しましょう

まずは色覚タイプ別にどのように見えているかを確認することから始まります。最近は色覚タイプごとの見え方の違いを確認できるツール類が、容易に入手可能となっています。これらのツールを使うことで、従来想像することすら難しかった、色覚異常の場合どのように見えているかを視覚的に確認することが可能となりました。
現在入手可能な代表的なシミュレーションツールを以下に紹介しておきます。

◆シミュレーションツール
 UD ing ( 東洋インキ ) http://www.toyoink1050plus.com/color-solution/ucd/
 Vischeck ( Stanford University ) http://www.vischeck.com/
 UniColor Pro ( ナナオ ) http://www.eizo.co.jp/products/ce/uc/
◆チェック用眼鏡
 色弱模擬フィルター バリアントール( 伊藤光学工業 ) http://www.variantor.com/jp/

② 判別が難しそうな配色があるかをチェックします

ここで注意しておきたいのは、シミュレーション画像が必ずしも全ての色覚異常の方の見え方ではないことです。シミュレーションツールで再現された色の違いに目を奪われがちですが、大事なポイントはシミュレーション画像の中から、判別が難しい個所の有無を確認するという作業です。
大事なことは、伝えたい情報、伝わらないといけない情報が、色覚タイプによって伝わらないことが無いようにチェックすることです。
ここで基準がぶれるとCUDは意味無いものになってしまいます。

③ 改善策を施します

判別不能な個所が特定できれば、後は改善策です。具体的な方策として一般的なものを以下に紹介しておきます。

 ・色を変える(色相、明度、彩度)
 ・境界を細工する
 ・ハッチングを活用する
 ・形状を変える
 ・文字情報を併用する