アカデミーボックス

JPDA 学生賞 2024

ワークショップ -9〈金沢美術工芸大学〉

2024.6.14 JPDA 学生コンペ委員

6 月 14 日に石川県の金沢美術工芸大学でデザインを学ぶ 1,2,3 年生一部の学生た ちに JPDA 学生賞の紹介及びパッケージデザインのワークショップを行いました。 年初の能登半島地震により、輪島塗は多くの工房 で業務再開に時間がかかり、市内のお店で見かけることがほぼありませんでした。 被災地と被災された皆さまの更なる活気を祈念申し上げます。

金沢美術工芸大学、通称「金美(かなび)」は昨年秋に約50年ぶりの移転新設を終 えたばかりの素敵なキャンパスです。道向かいには同時に移転新設した県立図書館と連動して正に「金沢から世界に拓く美と知の創造拠点」であると感じます。キャンパスの中はクリエイティビティ溢れる空間で、学生コンペ委員も感嘆符を連発です。

教室に入ってワークショップの準備をしつつ学生たちを迎えました。申込があった人数を大幅に超えて、パッケージデザインへの興味関心が高いと感じました。

金美には、金美卒業生であり資生堂出身、且つ JPDA 理事を務める畝野先生が教鞭 をとっていることから、ぜひワークショップを、とお声掛けいただき今回の出張ワ ークショップが実現しました。学生は 1 年生から 3 年生まで多彩です。冒頭の JPDA と学生賞の紹介が終わると、他の授業やアルバイトのため数人が退席しましたが、1 年生から大学院生まで JPDA 学生賞に関心を寄せていただき嬉しいかぎりでした。

ワークショップの説明が終わったら小休止です。学生コンペ委員がどんな仕事をしているのかわかるよう、各自がデザインした商品を並べていて、そこへ学生たちが寄ってきて質問タイム。どのようにブランドデザインを育てているのか、デザンやアイデアのポイントなど様々な視点から立ちトークが盛り上がります。

それでは、いよいよワークショップの開始です!まずは持参した「良いデザインの」商品について、チームの中で順番にミニプレゼンから。お互いの着眼点とその奥にあるストーリーなどの披露もあり、各テーブル共に盛り上がっていきます。ワークショップは他校と同様に「かわる」から始まるマンダラートの書き込みから。1分単位でどんどん書いていく学生たちを見ていると、個性溢れるキーワードがたくさんです。「ユニフォーム」や「おなら」から「節気」など、同じキーワードから展開されたと思えない程に一人一人が自分の心に向き合っている様が伺えて、委員からのアドバイスにも熱が入ります。金美は地元金沢出身者が少ないためか、よく注意して聞いていると様々なイントネーションが飛び交っていて、同質化しない異文化交流?的に多彩な地方の人材が集まる金美の強さを感じました。

コンセプトもラフスケッチもどんどん書き込んでいく迷いのない人もいれば、途中でピタッとカラーペンが止まる人もいて、委員がすかさず「どうしたの?」と聞きに行ってアドバイス。そこから一気にブレイクスルーして笑いながらスケッチを描いていく人もいたり。あっという間に気が付けばプレゼンの時間です。今回はたっぷり4時間のワークショップだったこともあり、全員がプレゼンして1つずつのアイデアに講評するというスタイルです。

プレゼンテーションは1チームずつ全員が前に出て1人ずつ話すスタイルです。ビールを飲む人の気持ちを盛り上げるパッケージ、聞いたことがない音を奏でるピアノ、しわくちゃになっても自然な紙袋、と講評する委員が「えっ?」や「おっ!」と声が出るアイデアなど、伸ばしたい! と感じる才能が溢れていました。プレゼンが終了して畝野先生に総評をいただき最後は全員で集合写真です。

畝野先生と学生コンペ委員も以前から JPDAで交流があり、交互にアドバイスする連携プレーが効果を発揮したと感じますし、学生たちが個性溢れる視点で楽しそうに創作パッケ ージデザインに向き合う時間を共有できました。最後の一枚はワークショップを終えて県立図書館に沈む夕焼けショット。また帰りたくなる景色がある大学でした! 畝野先生、学生の皆さま、ご協力ありがとうございました!

(JPDA メンバー 小川・森・山口)

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