JPDA学生賞2024
「日本パッケージデザイン学生賞2024」贈賞式を開催!
2024.12.12 JPDA学生コンペ委員
第三回となる学生パッケージデザインアワード【日本パッケージデザイン学生賞2024】を受賞した、30名の学生に贈賞しました。
公益社団法人日本パッケージデザイン協会(理事長:信藤 洋二、以下JPDA)は、2024年11月25日(月)、文京シビック小ホール(東京都文京区)において、日本パッケージデザイン学生賞2024贈賞式を開催、受賞した30名の学生に大賞・金賞・銀賞・銅賞・企業賞(フジシール財団賞、寿精版印刷賞、大商硝子賞、竹本容器賞、ツジカワ賞、レンゴー賞)・審査員特別賞を贈りました。
■大賞を受賞した専門学校日本デザイナー学院3年生の伊東 未夢さんのコメント
この度は大賞をいただきありがとうございます。この作品は可愛らしいビジュアルですが、実は感染症対策などの社会性への意識から生まれた作品です。社会にいる人々の役に立つデザインについて向き合い、それがこのような形で評価されたこと嬉しく思います。私は去年の授賞式に参加させていただいた際に、“来年もここに来たい”と強く思っていたため、今年はより良い形で同じ場所に立つことができたこと、本当に嬉しいです。
私はこの学生賞に参加する中で、JPDA協会の皆様含め、協賛企業の方々や、具現化で大変お世話になったツジカワ株式会社の方々、皆様が共通して楽しんでお仕事をされている姿が印象的でした。皆様が常にワクワクとした心をもってお仕事に取り組まれている姿は、それまで社会人になることを億劫に感じていた私の目にとても素敵に映りました。それは、自身がデザイン業界を志して良かったと感じた瞬間であり、社会人になることが楽しみになるような経験でした。私も楽しんでお仕事ができるデザイナーを目指したいですし、そのためにこれからも頑張りたいと思わせられた賞でした。この度は誠にありがとうございました。
大賞「あ〜んニマル」
■作品コンセプト
開封することで環境が「かわる」お手拭きのパッケージ。主に飲食店で提供されるお手拭きであるが、「感染症対策として使用後は袋に戻して欲しい」という、飲食店で働く人々の声がある。また、使用済みのお手拭きが机に広がり散らかる様子が、食事をとる環境の中で美しくないという問題がある。開封することで動物の顔が完成するデザインは、人のもつ“可愛い動物に餌をやりたくなる”という行動心理を利用して、使用済みのお手拭きを袋に戻すことを促す。これにより感染症のリスク軽減につながり、机の上を可愛く美しく保つ。更に、従業員の片付けの手間を軽減する効果が期待できる 。また、料理が運ばれてくるまでの待ち時間には、子どもの遊び道具として機能することができる。利用者が食事をとる環境・そこで働く人々の環境・感染症が蔓延る世間という環境が「かわる」パッケージデザインである。
■JPDA理事長 信藤 洋二 コメント
海外の旅行者が夏場に冷えた布製のおしぼりを体験すると、日本のおもてなし文化に感動するようだ。しかし感染症の拡大により、手間の掛からない使い捨ておしぼりの需要が増えている現状は味気ない。世界の動物が描かれた紙おしぼりは、ゴミを散らかさず安心して片付けられる実用性が良く考えられている。子供にもわかる動物のグラフィックは親しみやすさがあり、手を拭いたおしぼりを口の中にしまいたくなる仕掛けにより、デザインと社会性を両立した大賞に相応しい作品だ。
■入賞作品のリストは、JPDA学生賞サイトにて公開しております。
https://student.jpda.or.jp/#winner
入賞作品の画像は、今後JPDA学生賞公式インスタグラムで公開予定です。
https://www.instagram.com/jpda_student_awards/
交流会
贈賞式の後、協賛企業様と審査員、学校関係の皆様、受賞学生、JPDA関係者の親睦を深める場として、交流会が開かれました。パッケージデザインに携わる協賛企業の方々や、第一線で活躍するクリエイターとざっくばらんに話ができる貴重な機会。学生たちは、受賞した作品のモックアップやポートフォリオを持参してアドバイスを求めるなど非常に積極的で、有意義な楽しい時間となりました。
■日本パッケージデザイン学生賞とは
公益社団法人日本パッケージデザイン協会(略称:JPDA)が主催し、パッケージデザインの新しい魅力と価値を学生と共に発掘・伝播していくことを目的にした、学生パッケージデザインアワードで、毎年開催されます。
第三回となる本年は、「かわる」をテーマとしたオリジナリティのあるパッケージデザインのアイデアを2カ月間募集し、全国の大学・専門学校から744点の応募がありました。
パッケージデザインには、中身の情報を伝達するだけでなく、形状の工夫やマーケティング、SDGsを意識したものなど、様々な要素が組み合わされてできています。近年、パッケージデザインに対する関心が高まっていることを受け、美術・芸術系の学校のみならず、パッケージデザインに興味のある学生ならどなたでも参加することができるアワードを2022年度より開催しています。
作品のデザイン性や創造性を競い、パッケージデザイン界で活躍するJPDA会員審査員と外部特別審査員による厳正な審査を経て、大賞・金賞・銀賞・銅賞・審査員特別賞などが選出されます。
また、入賞作品は『年鑑日本のパッケージデザイン』(隔年刊行)に収録されます。
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公益社団法人日本パッケージデザイン協会(JPDA)は、1960年に発足、パッケージデザイン文化の向上、普及、啓発のための事業を行う団体として2013年に公益社団法人に移行しました。JPDAの活動は、日本パッケージデザイン大賞などの顕彰事業、年鑑の発行、展覧会やセミナーの開催、調査研究、国内及び国際交流、広報活動など多岐にわたります。パッケージデザインの価値を伝え、魅力を創出するために、さまざまな形の「場づくり」があり、国際交流、国内、そして地域まで幅広く活動しています。